統計地図が表示できるサイト
株式会社日本統計センター(本社:福岡県北九州市、代表取締役社長:加来 伸一郎)が,2011年にスタートさせたWebでの無料マッピングサービスである。 国勢調査人口・世帯数,同伸び率など各種統計データが地図上に表示できる。全国,都道府県,市町村,町丁のスケールごとに地図が表示できる。人口を曜日・時間帯ごとに集計した「あさひる統計」なども利用できる。施設検索機能のほか,バッファ円を描画する商圏分析の機能もそなわっている。
このサイトでは町丁別の階級区分図,メッシュマップも描画でき,本格的な活用をする場合には実は,前にあげた「ひなたGIS」や「RESAS」以上に地域分析では大きな力を発揮するように考える。
自治体の様々な地方創生の取り組みを情報面から支援するために,経済産業省と内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)が提供する,産業構造や人口動態,人の流れなどの官民ビッグデータを集約し,可視化するシステムである。様々な地図データを,全国の市町村単位で見ることができる。自治体発のWebGISのプロトタイプとしてひなたGISなどが開発される契機を作った。 ただ正直,操作性が複雑だったり,動作が重いなどの何点がある。
宮崎県で,職員が独自に作成した地理情報システムで,地域自治体に求められるデータを見える化するツール。地域のさまざまなデータを地図上に重ね合わせることができるシステムで、2018年3月の内閣府開催「RESASアプリコンテスト」(https://opendata.resas-portal.go.jp/contest/index.html(外部サイトへリンク))で最優秀賞を受賞した。 ここでは(1)市町村人口減少の状況 (2)小地域人口分布~都市集約化の状況 (3)現役負担率からみた地域の状況 (4)医療機関と小地域人口の分布 (5)自治体財政力指数と現役負担率 (6)ハザードマップと小地域人口分布 (7)観光資源などの様々な地図データを地図上に重ね合わせることができる。宮崎県に特化したものが多いが,総務省の国勢調査などの統計を使った地図が作図できるようにしている点は,本家のリーサスよりもすぐれている。インターネットに接続するPCやスマートホンなどから無料で利用できる。当初,宮崎県に特化したソフトだったため,現段階ではまだ全国の全域についてすべての機能,データが使えない状態であるが,随時、データ・機能の充実を図るとのことであり,将来性が期待される。
国土の概観に役立つサイト
【地形図】
国土地理院の地図や空中写真を見られるオンラインツールである。 世界地図から建物ひとつひとつが判別できる詳しい地図まで、様々な縮尺の地図を見ることができる。また土地条件図・明治前期の低湿地・火山土地条件図・宅地利用動向調査及び年代ごとの空中写真をはじめ、様々な情報を地図、空中写真等に重ね合わせて表示することができる。さらに地図の3D化,距離・面積の計測,断面図作成などさまざまな機能がそなわっている。
MANDARAで知られる谷謙二氏が制作したオンラインツール。首都圏,中京圏,京阪神圏の主要地域等を中心に,明治・大正以降現在までの地形図を容易に閲覧できる。
WEBブラウザで国土数値情報を簡単に閲覧することができるシステムである。国土数値情報の複数のデータ項目を選択して、1つの画面に重ね合わせて表示させることができます。基本的な行政区画地図の上に,国土骨格,施設,土地,自然,産業統計,指定地域,沿岸域を重ね合わせ表示できる。
地理院地図のソースを利用して運用している地図サイトであるが、他の地図へのリンク機能など、独自の機能を追加している大変有用性が高いサイトである。
【全般】
全国の様々な分野のWeb地図を公開している個人サイト。
沼津工業高等専門学校 教養科 佐藤崇徳研究室(地理教室)のサイトには、様々な世界と日本を概観するためのウェブ地図がある。
地形・ 地質の概観に役立つサイト
【地形の概観】
金沢市の五大開発という企業が実験的に公開する国内の任意の地域について,鳥瞰図,地形の3D概観図を作図できるサイトである。国土地理院の数値データを使った煩雑な方法ではなく,五大開発独自のデータとアルゴリズムに基づいて作図するサイトである。精度は実感落ちるが,地形の可視化という点では,画期的なサイトである。
「CS立体図」は、長野県林業総合センターが考案した地形表現図である。谷(凹)地形を青色,尾根(凸)地形を赤色,緩斜面を淡い色,急斜面を濃い色で 段彩化しているため,色彩の濃淡で微小な地形の凹凸が表現され,特異な箇所等を判読することが可能となっている。サイトは森林土木memoの管理人が,国土地理院の基盤地図情報数値標高モデル10mメッシュを使用してQGISで作成したものである。
地形の起伏を立体感で表現した3D風地図で,国内各地が概観できる。
【等高線】
故・谷 謙二先生氏のサイトで公開されている、日本各地の等高線を描画するサイトである。「等高線のみ表示」という機能もある。
【断面図】
故・谷 謙二先生のサイトで公開されている,世界,日本各地の断面図を描画するサイトである。
ESRI社の「Elevation Profile Map Tool」では,世界の任意の場所の断面図を簡単に描写することができる。。
【地震とプレート境界】
防災科学技術研究所が公開しているサイトで,Hi-netの観測により捉えられた日本の地震の震源分布(マグニチュード1.5以上)が三次元で表示されるサイト。マウスで操作することで,震源分布を自分の好きな角度や縮尺で表示することができる。 日本列島の下に沈み込むプレートの形状をわかりやすく理解させるのに有用である。
【地質】
20万分の1日本シームレス地質図」は,過去日本で出版されてきた膨大な数の地質図を,共通フォームによって統合して活用できるようにしたウェブサービスである。産業技術総合研究所の地質調査総合センターで運営しているウェブサービスである。このサービスを使うと,全国のすべての地域について,同じ基準で「地質」を見ることができる。
天気・ 気象の考察に役立つサイト
【天気】
東京都の風の流れを可視化する目的で作られたサイトである。Cameron Beccarioはこのサイトを作成して、その延長線上でEarth(Earth Null School)を作成した。
東京都を中心とした局地的な雨量のリアルタイムレーダーについては,東京都下水道局のサイト「東京アメッシュ」で閲覧することができる。
【気象】
JAXAが東京大学や理化学研究所と共同で開発した,衛星データと気象モデルを融合するシステムNEXRA(NICAM-LETKF JAXA Research Analysis)をもとに計算した結果を反映した全球単位の雨分布・リアルタイム気象地図がみられる。見られる地図の内訳は,雨量,地表風向・風速,地表気温,地表水蒸気量,積算水蒸気量,地表面気圧,時間積算降水量,外向き長波放射量(OLR)などである。
衛星データの民間利用推進を目的としてJAXAが提供したデータなどをもとにして,パナソニック株式会社 エコソリューションズ社が作成した雨とい事業60周年記念のサイトである。サイトでは全国100地点の「気象に関する5つの指標(降雨量/瞬間降雨量/瞬間最大風速/降雪量/UVインデックス)」を偏差値化。 家が受ける気象の脅威に関する項目の全国偏差値を水滴グラフで確認できる仕様になっており,衛星データを「家」という視点で編集加工して閲覧できるようにしている。
気象予報業務・建設コンサル タントをしている国際気象海洋株式会社のサイトである。波浪予想図,レーダーアメダス・降水15時間予報,合成レーダー,アメダス,台風経路図,卓越天気,3時間降水量,6時間降水確率,発雷確率,降雪量(12月〜3月のみ),地上・高層天気図,地上・高層天気図(ワイド表示),府県天気予報,府県天気予報文,週間天気予報.週間天気予報文,ひまわり8号画像,注意報・警報,推計天気(テスト中)などの地図情報が閲覧できる。
【衛星画像】
国立研究開発法人・情報通信研究機構のNICT時空間データGIプラットフォームのビックデータ技術開発プロジェクトの一環として公開されている、ひまわりのリアルタイム衛星画像である。
日本の植生理解に役立つサイト
株式会社ThinkNatureによって運営されているサイト。50以上の生物多様性に関連する項目を地図上に投影する機能や、都道府県・市区町村など4つの地理スケールで集約した生物多様性の利用と保全に関する情報としてPDF(保全カード)で表示する機能を備え、様々なシーンでの活用が期待されている。
日本の海洋理解に役立つサイト
海上保安庁海洋情報部が運営しているサイトで,「海しる(海洋状況表示システム)」は,さまざまな海洋情報を集約し, 地図上で重ね合わせて表示できるWeb地図サイトである。メインメニューで,利用目的を選択するとそれに対応した主題図・情報が表示される。 衛星情報を含む広域の情報や気象・海象をはじめとするリアルタイムの情報を一元的に利活用できる。
日本の自然災害リスクについて考えさせられるサイト
【ハザードマップ】
WEBブラウザで洪水・土砂災害・津波のリスク情報,道路防災情報,土地の特徴・成り立ちなどを地図や写真に自由に重ねて表示できる。
重ねるハザードマップと,わがまちハザードマップ ~地域のハザードマップを入手する~にアクセスするためのポータルサイトである。後者は日本全国のハザードマップを公開している市長村のハザードマップ情報やデータが入手できる。
防災科学技術研究所が全国地震動予測地図を,オンラインで閲覧できるようにしたサイトである。初期画面のSTARTボタンをクリックすると,地図が表示される。地震防災への意識向上と効果的な地震対策のための基礎資料の無償提供をしている。
国立研究開発法人・防災科学技術研究所が運営しているサイト。最新の地震情報をまとめてみられる。なおこのサイトの右下にあるメニューから入れる高感度地震観測網の中の「過去(2002年以降)の地震における最大振幅分布図や振幅アニメーション」がみられる。
気象庁が公開している、大雨などの災害の危険度の高まりを5段階の色分けで地図上に表示するサイト。
お天気総合サイト「お天気ナビゲータ」内にある雨、雷、竜巻の高解像度レーダーマップを表示するサイト。降水、土砂、浸水、洪水などの災害の危険度の高まりを地図上に表示するキキクルもある。
気象庁が公開している、リアルタイムの自然災害リスクを地図上に表示するサイト。
防災科学技術研究所 雪氷防災研究センターで運営するサイトで、 屋根雪事故を防ぐために除雪作業や雪下ろしのタイミングを可視化したサイト。リアルタイムの積雪荷重の大きさを地図で示している。
【民間企業によるハザードマップ】
株式会社NEO GISが運営するWeb地図サイトである。「国土交通省の重ねるハザードマップ」と同種の機能に加え,リアルタイムの気象状況を重ねたり,紙地図として印刷するなどの機能,簡単な作図機能が備わっている。
【台風】
渡邉英徳(東京大学大学院教授)が作成した,気象衛星画像を使ったアニメーションで,日本付近の過去・現在の台風を可視化したサイトである。気象庁が提供する台風などの災害情報と、ソーシャルメディア上の災害情報をリアルタイムにマッシュアップするコンテンツとなっている。
日本の災害について振り返るためのサイト
【東日本大震災・災害アーカイブ】
やや煩雑であるが、探す→場所(地図)のところから様々な情報にアクセスできる。
東北大学アーカイブプロジェクトによって運営されているサイト。
東日本大震災で失われた美しい風景や,懐かしい景色,写真・動画などの思い出を,地元の方々からインターネット上の写真・動画共有サービス( Picasa / YouTube )に投稿してもらい,地図上で閲覧できるようにしたサイト。 2011 年 6 月 28 日にはじまったものである。
日本の交通機関の働きを理解するためのサイト
【船舶交通】
ギリシャのエーゲ大学の製品・システム設計エンジニアリング学部サイトで,AIGを搭載している船舶の位置マップが見られるサイトである。マップはGoogleMapを活用しているが,様々な言語に対応しているだけでなく,描写されている地図の船舶が,旅客船,貨物船,タンカーなどどのような船種であるのかや,航海中,錨泊中/係留中などの状態までもがわかるようになっている。
世界中の 100,000 を超える船舶のライブ位置をリアルタイムで表示するインタラクティブ マップ。このマップは、AIS と衛星データを使用して、内陸の川と世界の海と海の両方でボートと船の位置を追跡およびマッピングする。地図上では、さまざまな色のマーカーを使用して、さまざまな種類の船舶を示している。黄色のマーカーは貨物船、オレンジ色のマーカーはタンカー、紫色のマーカーはヨットの位置を示している。マップ上の個々のマーカーをクリックすると、選択した船舶に関する詳細情報が表示される。
【鉄道交通】
東京の鉄道の運航状況について、リアルタイムのトラフィック情報を表示している。
画像スタイルではあるが、全国の路線図が表示できる。
【自動車交通】
警視庁が運営しているサイト内の,東京都内で発生している交通事故の発生地点について,特徴が分かりやすく示されたWeb地図である。
日本の人口の偏りを理解するためのサイト
【人口密度】
歴史地図の考察に使えるサイト
【絵図】
久本空巳氏が制作した、歌川広重の「東海道五十三次」の版画を、「東海道中巻栗毛」のルートの実際のマップで探索できるようにしたインタラクティブマップである。
都市と村落の考察に使えるサイト
【都市景観】
国土交通省が主導する、日本全国の3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化プロジェクトの一貫で運営されているサイト。全国56都市を対象に都市空間を3次元ポリゴンとして再現できる。テクスチャの有無やモデルの詳細度など、いくつかの区分がある。
【土地利用】
全国の市町村ごとの住居地域,商業地域,工業地域などが表示できる。
日本各地の地方版GISの例
石狩市が,2002年から公共施設などのデータを地理情報として一般に公開していたWeb地図を、大幅にリニューアルして公開しているもの。バス路線,防災,医療機関,バリアフリー情報,都市計画,中学校区,小学校区など生活情報を中心に公開している。
Web上の地図に,横浜市の保有する情報を重ね合わせて提供するためのサイトである。
川崎市の統合型地理情報システムで,地図上で様々な生活情報をはじめ,インタラクティブな統計マップやハザードマップなど多彩な地図ページが公開されている。
糸魚川市が,市民向け,訪問者向け,事業者向けに情報を掲載した公開型地理情報システムである。
富山県内の文化財・施設情報,自然環境情報,航空写真などが閲覧できるシンプルなGISである。
公益財団法人岐阜県建設研究センターが運営している公開型地理情報システムである。
愛知県の統合型地理情報システムで,地図上で合併情報・様々な医療・福祉施設,防災情報などを得ることができる。ただし操作が複雑な点がある。
京都府自治体情報化推進協議会が運営している,京都府及び府内市町村が保有する地図情報をインターネットにより閲覧できるシステムである。
基本統計指標の主題図,ハザードマップをはじめ,さまざまなマップがみられるサイトである。
西宮市が持つ白地図,都市計画情報,道路,下水道,遺跡などについての様々な地理情報を閲覧できるシステム である。
公共施設の情報をはじめとする福岡市にかかわるさまざまな情報について,その位置や概要などを地図を利用して案内する地域情報システムである。
公共施設の情報をはじめとする沖縄県にかかわるさまざまな情報について,さまざまなマップがみられるサイトである。
県が導入しているインターネット公開向け統合型地理情報システム
地域課題の考察に使えるサイト
株式会社NeoGISの無料Web地図サービス(現状では無料)。社会資源を地図上で管理し,地域のケア力を向上,育成するためのWeb地図。「社会資源」とは、福祉のニーズを充足するために活用される施設や機関、個人、集団、資金、法 律、知識、技能などの総称である。
平和について考えさせられるサイト
このサイトは,首都大学東京の渡邉英徳氏などを中心に,広島平和記念資料館,広島女学院同窓会,八王子原爆被爆者の会,中国新聞社をはじめとする提供元から得られたすべての資料を,デジタル地球儀上に重層表示した「多元的デジタル・アーカイブズ」である。1945年当時の体験談,写真,地図,その他の資料を,現在の航空写真,立体地形と重ねあわせ閲覧することができる。