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0 GIS教育を取り巻く状況について(2019.1.04修正) ここでは連載では書かなかった,GIS教育を取り巻く,最近の状況変化に対しての私感を示したい。 2018年の3月に地理総合の新設が決まって以来,新指導要領の公的な研修会などで,「GISを生徒に理解させるためには,紙地図やOHPシートの活用で十分です」と主張される先生方を,たびたび見たり耳にしたりすることが増えていた。学校により生徒の実態は異なるので,そうした手法で,GISを現場にソフトランディングをしていく工夫自体は間違いではないと思う。しかし公的な研修の場で,生徒の実態もPCの使用環境も異なる不特定多数の参加者に一律,「GISは教えてください。でも触らせないなくても大丈夫です。」と立場のある方が話すのはどうだろうかと思う。「一休さん」にでてくる「このはしわたるな」と同じ禅問答を,公的な研修会の場で話すことは,ミスリードだと感じる。 実は,「新学習指導要領と解説が出たあと・・・・」の一年で,GIS教育をめぐる環境は劇的に動いた。「国策」として2018年11月から準頂天衛星「みちびき」の本格運用がはじまり,それを背景としてスマート農業へのリモートランシング技術・高精度測位術の応用が活発化している。また自動車の指導運転のためのダイナミックマップの製作にはずみがついた。さらに国内外で,WebGISの多様化や操作性の平易化が一気に進んだ。ウソだっと思ったら,ネットでググってほしい。 GISも,WebGISの多様化で,日に日に平易化が進んでいるため,高校地理へのGISの導入に関しては,「生徒にとってハードルが高い」,「学校のPC環境が貧弱」といった理由で「教えない」という選択肢はほぼなくなったと考える。またGISの民間利用と社会的責任・有用性が劇的に変わる中で,高校地理では,最低限,次世代を担う生徒が「直接GISに触れる機会」を担保する義務も生まれてきたと考える。そもそもGIS地図の特性は,紙地図で示せる「重ね合わせ」だけではなく,マルチスケール表示,可視化,高精度な地物の位置表示,様々な地域・地球課題の考察の道具,リアルタイム表示など様々な特性がある。もはや,それを紙だけで教える方がむしろ難しい。 是非,先生方とは,こうした現実と私の思いを共有していただけるとありがたいと考える。 1 はじめに 2 授業の下準備
3 授業の導入
4 earth
5 Flightradar24
6 MarineTraffic
7 地理院地図の機能に触れさせる
8 まとめ
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