A世界銀行統計から地図太郎地図をつくる

 

 

 

 

‘At noon on the day of the summer solstice, the Sun is directly overhead in Syene (now Aswan) and there is no shadow, but at the same time in Alexandria the Sun is at an angle and there is a measurable shadow’

  • 1.地図太郎で世界の統計地図を作ろう

  • 2.世界銀行データの入手

  • 3.世界銀行統計の加工

  • 4.地図太郎で世界地図を作る

  • 5.図形表現図の作成

  • 6.コロプレスマップの作成

  • 7.混合図の作成

  • 8.図形イメージの保存

  • (注)データの保存

1 地図太郎でグローバルスケールの統計地図を作ろう

私は,GISソフトを我々高校地理教員が「活用」する上では,もっと生徒や教員がグローバルスケールの統計地図を簡単に作れるようにすることで,それらを使った「現代世界の地理的な諸課題の地域性」の考察機会を増やすべきだと考える。そのため,その一環として私は,「地図太郎でグローバルスケールの統計地図を作るための支援コンテンツ」を作成した。世界銀行統計からは,以下のように地図太郎ベースでグローバルスケールの統計地図を作ることもできる。

        

2 まず「世界の統計地図をつくるための準備品】をそろえよう 

 (1)GISソフトMANDARAの最新version・・・・・・・・・・・最新版はここからダウンロードする。

 (2)田中の自作コンテンツ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここからダウンロードしてください。

3 圧縮形式の「田中の自作コンテンツ」を解凍しておこう。

解凍すると下のような2つのEXCELコンテンツ,NaturalEarthのGISデータが中に入っている。

 

1.まず「世界銀行」のファイルには,@〜Bの3つのシートがある。このうち始めに@The  worldbank  indicatorsデータ検索というところで,自分が統計地図を作りたい「指標」を探し て,そこをクリックする。たとえばここでは,「一人当たりGNI(米ドル)」を選択しクリック する。

2.すると世界銀行統計のデータ取得のページにジャンプする。

3.そうしたら右側の赤いパネルの「ダウンロード」のところにマウスを合わせて軽くクリックする。 するとダウンロードするファイル形式の選択画面がでてくる。ここでは「EXCEL」を選択し, データをダウンロードする。

4 地図太郎用データの作成

1.続いて,先程入手しておいた「世界銀行のデータ」の名称を「data」に変更し,それを「ダウンロードしたフォルダ の中」にドラッグして中に入れる。つまり,中の「data」というファイルに上書き保存することこで,データのさし かえを行う。

2あとはコンテンツの中の「世界銀行ー地図太郎化」というExcelファイルを開いて,「BData for 地図太郎」のシートを表示させて,そのシートを「csv」保存する。

2.地図太郎で世界地図を作る

1 続いて地図太郎をパソコンにインストールし,起動する。

2 次に,「ファイル」→「他形式を編集レイヤに読み込み」→「NaturalEarth」の中のShapefileを選択してクリック  する。この時,左図のような「地図太郎の属性情報へ転記」という設定画面が表示されるが,たとえばここで網かけを  「黒のベタ塗り」,表示色を「グレイ」に設定する。

3 するとこのような世界地図フォーマットができる。

4 図形表現図の作成

 世界地図フォーマットとcsvデータが用意できたら次は,いよいよ統計地図の作成作業である。地図太郎については図形表現図とコロプレスマップ,あるいはその混合図が作れる。まずは図形表現図の作図から解説していきたい。言うまでもないことであるが,人口,森林面積,農地面積など統計数値が絶対値の場合には,図形表現図を作ることになる。

1 CSVデータの作成が終了したら,次は地図太郎を表示し,「CSVデータ」→「結合」をクリックする。すると「結合 するレイヤは,ne_110m_admin_0_countries_lakes.shp(面)である。「続行しますか?」と表示されるが,ここ では「はい(Y)」を選択する。

2 まもなく「表データの選択」という小ウィンドウが表示されるが,そこで作成した「csvデータ」を選択する。

3 続いて「一人当たりGNI」など絶対値をつかって,図形表現図を作る場合は,地図太郎の画面上にあるツールバーの 「グラフ表示・色分け」をクリックし,まもなく表示されるメニューから「グラフ表示」をクリックする。ここでは 「グラフ」という小ウィンドウが表示されるが,地図化したい統計年次を選択し,「追加」→「OK」ボタンをクリック する。

 

 ※統計年次によっては,数値が全くはいっていない年次もあるが,それらは当然図化に使えない。


4 すると「グラフ表示の小ウィンドウ」が表示されるが,ここで統計地図の「形」を選択する。

5 たとえば「円グラフ」を選択すると,左図のような図形表現図が表示される。

6 「正方形グラフ」を選択するとこのようになる。

7 「棒グラフ」で選択するとこのようになる。

 

5 コロプレスマップの作成

 続いてはコロプレスマップの作成である。当然のことながら「割合」「率」など統計数値が相対値の場合は,コロプレスマップを作成することになる。途中の作業までは,図形表現図の作図と流れは同じである。つまり次の1〜2までは流れが同じである。

1 CSVデータの作成が終了したら,次は地図太郎を表示し,CSVデータ→結合をクリックする。すると「結合するレ  イヤは,TM_WORLD_BORDERS-0.3.shp(面)である。続行しますか?」と表示されるが,ここでは「はい  (Y)」を選択する。

2 まもなく「表データの選択」という小ウィンドウが表示されるが,そこで作成した「csvデータ」を選択する。

3 続いてコロプレスマップを作りたい場合は,地図太郎の画面上にあるツールバーの「グラフ表示・色分け」をク  リックし,まもなく表示されるメニューから「色分け表示(クラス)」をクリックする。

4 するとこのような小ウィンドウが表示されるが,小ウィンドウが表示されたら,その上にある「項目」をクリック  する。するとさらに「表データの選択」という小ウィンドウが表示されるが,そこで「結合するcsvデータ」とい  う所を選択してOKボタンをクリックする。

 

5 すると「項目名をクリックしてください」という小ウィンドウがさらに表示されるが,ここでは統計地図を作成し  たい「年次」を選択する。たとえば「2010」という年次をクリックする。

5 すると「色分け表示(クラス)」という小ウィンドウが表示されるが,初期設定では凡例の数(分類数)は10となっ  ている。また凡例の単位も,数値を小数第何位まで表示するのかの設定も行われていない。

6 そこでここではたとえば,分類数を4,凡例の単位を%,小数点以下の表示桁数を1とする。

 

7 するとこのようなコロプレスマップが表示される。2010年における65歳以上の人口割合である。ただしコロプ  レスマップは,これで完成ではない。つまりよくみていただくと分かるが,欠損値が白色で表示されているため,西  サハラなどが欠落したマップになっているのである。

8 つまり再び「地図太郎で世界地図を作る」の所でやったのと同様に,「File」→「他形式を編集レイヤに読み込み」→「Shapefile」を選択してクリックする。そして「TM_WORLD_BORDERS-0.3.zip (3,380 kB)」のシェイプファイル(shpファイル)を読み込むといった作業が必要になる。

 

9 この対策としてはまず,「NaturalEarthデータ」の世界地図フォーマットをもう1つ別のレイヤに読み込む。た  だし,ここでは網かけを「07」,表示色を「黒」に設定する。つまり海岸線と国境線以外が透明になっている世界  地図フォーマットのレイヤを,作成したコロプレスマップの上にかぶせるのである。

10 完成したコロプレスマップのイメージはこのようなものである。

6 混合図の作成

 作成したコロプレスマップに,図形表現図を重ね合わせることも可能である。つまり完成したコロプレスマップを用意して,その上に図形表現図を描画すればいいだけである。

1 つまりまずこのような完成したコロプレスマップを用意する。

2 そしてcsvデータ→ 結合。

 

3 表データの選択→項目の選択。

4 グラフ表示の設定。

5 以上のように図形表現図の作成作業を,コロプレスマップの上で再現するだけで,このような混合図が作成できる。

7 図形イメージの保存(GoogleEarthファイルの保存)

 もちろん図形表現図やコロプレスマップができても,その図形イメージを保存したり,データを保存することができなければ,授業等への活用もままならない。そこで次にまず,図形イメージを,jpg形式あるいはGoogleEarth形式で保存する方法について示していきたい。

1 まずは統計地図が完成したら,地図太郎の上にあるツールバーのことろで,「ファイル→画像イメージの保存」をクリックしていく。

2 すると「画像イメージの保存」という小ウィンドウが表示されるが,そこに3つの保存パターンの選択パネルが表示される。一番上の「印刷と同じイメージ」はjpg形式の画像のみ。「画面イメージ」はESRI社のソフトに対応したファイル+jpg形式画像,「画像イメージだけ」はGoogleEarth形式ファイル+jpg形式画像の保存が可能である。

3 「印刷と同じイメージ」で保存されるjpg画像のイメージはこのようなものである。

 

4 また「画像イメージだけ」で保存されるGoogleEarthファイルのイメージはこのようなものである。拡大させると画像が荒っぽくなるのが難点である。

 

8 データの保存

以上のような手順に従えば図形表現図もコロプレスマップも作成できる。・・・あとは,これらの統計地図を保存するだけだが,この作業ファイルの保存が少々煩雑である。ポイントは,4つのファイルをワンセットにしてフォルダに入れて保存しておくことである。

1 まず地図太郎の画面上にある「ファイル」→「ワークファイルを保存」で,作業ファイルをワークファイルとして保存していく。ただこの保存は,統計地図のもとになったCSVデータが入っているフォルダと同じフォルダの中に保存をしていかなければならない。

 

2 この保存作業をすることによって,csvファイルが入っているフォルダの内には,csvファイルを含めて4つのファイルが収納されている状態となる。

 

3 この4つのファイルが入ったフォルダをワンセットとして,おけば,いつでもその中のwrkファイルをクリックするだけで,自作した主題図が表示される。

 

 

 

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