@世界銀行統計からMANDARA地図をつくる

 

Alfred Lothar Wegener (November 1, 1880 – November 1930)

  • 1.下準備

  • 2.統計データを入手

  • 3.世界地図フォーマットを入手

  • 4.MANDARA10へのデータの貼り付け

  • 5.MANDARA地図の完成

1 MANDARAグローバルスケールの統計地図を作ろう

地球規模の問題には,環境問題,食料問題,人口問題,居住・都市問題,難民問題など様々な問題があります。これらの問題を,生徒にとらえさせる場合,グローバルスケールの主題図を使い,問題の「空間的な広がり」を認識させるのが基本です。気候温暖化に対しては,国別の一人当たり二酸化炭素排出量を示した地図,食料問題では国別の栄養不足人口率を示した地図,人口問題では国別の合計特殊出生率や人口増加率を示した地図,居住・都市問題については国別の都市人口率を占めした地図,難民問題については国別の難民発生者数や移入人口を示した主題図などが必要となります。では肝心のそうした主題図は,どのように入手すればよいのでしょうか。 最も平易な方法は,インターネット上にある主題図を利用する方法です。その点で有用なのが, The World Bank(世界銀行)の公式サイト内にある「Indicators」というページです       (https://data.worldbank.org/indicator)。世界銀行はもともと,世界の貧困削減,発展途上国への資金・技術支援を目的とした公的な国際機関です。

2 まず「世界の統計地図をつくるための準備品】をそろえよう 

 (1)GISソフトMANDARAの最新version・・・・・・・・・・・最新版はここからダウンロードする。

     

 (2)田中の自作コンテンツ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここからダウンロードしてください

3 圧縮形式の「田中の自作コンテンツ」を解凍しよう。

解凍すると,「世界銀行MANDARA」という化フォルダがあり,その中で以下のような2のEXCELコンテンツ,世界地図フォーマット(mandara形式)が中に入っている。

  

4 世界銀行統計データを入手する

 続いては世界銀行データの入手である。これについては「世界銀行」の公式サイト内にあるindicatorsというページを使用します。ここは英文サイトですが,ネットの自動翻訳機能を使えば不自由はありません。

1.まず「世界銀行」のindicators(指標)というページをひらくと,そこには持続可能な世界の建設にかかわる沢山の指標が,カテゴリー別に整理されて表示されます。まずはその中から「自分が地図化したい指標」を選んで,その「指標名」の所をクリックしてほしい。

2.たとえば,ここで「援助効果」というカテゴリーの中の「死亡率、5歳未満(出生1,000人あたり)」というところをクリックします。すると左のような画面が表示されます。最初に示されるのは,1960年から現在までの統計指標の推移を示す折れ線グラフです。

実は,このグラフの上にある「map」というボタンをクリックすれば,簡易的な地図がすぐに描画され,地図左上にあるshadedボタンで階級区分図,pointsボタンで図形表現図といった地図形式が選択できます。ですから,このページの地図を直接生徒に触らせ,任意の統計指標で地図を作図させることも可能ということです。

ただGISの醍醐味や面白さは,自らの作図によって感じられるもののほうが大きいものです。そこで引き続き,世界銀行の統計を使って自らMANDARA10で統計地図を作図していく手順について続けていきます。

 

3.まず,この自作地図をつくるには,この「indicators」のページ右下にある「ダウンロード」で「EXCEL」を選択し,統計データをダウンロードします。

 

 

 

 

 

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4.ダウンロードした「EXCELファイル」はすぐに,名前を「data」に変更しておきましょう。

 

5.そして,この「名前を書き換えたdataファイル」を,私の作成した「世界銀行MADARA化」というファルダの中に入れてしまいます。もともとこのフォルダの中には,同名のファイルがあるので,上書き保存する形になります。

これで統計データの入手は完了なので,世界銀行のサイトは閉じてください。

5 任意の地図投影法の世界地図フォーマット(MANDARA10形式)を入手する

 続いては,統計地図のベースマップとなる「MANDARA10形式の世界地図フォーマット」を入手します。

1.まず私の作成した「世界銀行MADARA化」というファルダの中にある「世界銀行.xlms」という名前のExcelコンテンツを開いて,「@Data for MANDARA」というシートを表示させ,左画面にあるオレンジ色のボタンをクリックします。するとエケルトWの世界地図フォーマット(mandara形式)がダウンロードができます。MANDARA10では,操作画面上で,6つの地図投影法のなかから任意の図法を選択できるようになっているので,ここでのエケルトWというのはあくまでも「暫定」です。ダウンロードしたものは,解凍しておきましょう。

この作業が終わったあとは一旦,「世界銀行.xlms」のファイルは開いたまま放置しておきましょう。

2.続いて,入手した世界地図フォーマット(mandara形式)のファイルを開きます。そして上のツールバーにあるメニューを,「編集」→「属性データ編集」→「属性データ編集」の順にクリックし,左側のような画面を表示させます。このような画面が表示されたら,しばらく放置しておきましょう。

4 MANDARA10へのデータの貼り付け

1 次に,放置してあった「世界銀行.xmls」をよくみると,初期画面の「@Data for MANDARA入手」というシート以外に「AData確認」というシートが確認できるはずです。「A」にはすでに,世界銀行indicatorsのページから自分が入手したデータが反映されているはずなので,それをよくみて確認くてください。もし反映されていないようだったら,ファイルを一回とじてもう一度開きなおしてください。大丈夫だったら次に進みます。

2.続いて「世界銀行.xmls」の「@Data for MANDARA入手」というシートの左にある「B以下のボタンをクリックして,Aの世界地図フォーマットの『属性編集』に貼り付けるデータをクリップボードコピーします」の直下にある「データのクリップボードコピー」ボタンをクリックします。これでMANDARA10用の地図データの入手が完了となります。

3.あとは,ずっと放置しておいた世界地図フォーマットの属性編集画面を表示させて,左画面にあるように「タイトル」の所にマウスポインタをおいて,「右クリック」→「貼り付け」で,統計データをすべて貼り付けます。それができたら,画面上の「ok」ボタンをクリックしましょう。

4.左のような画面が現れたら,あとは詳細を調整して,地図は完成となります。

 

 

5 MANDARA地図の完成

 続いていよいよMANDARA地図の描画です。

1.まずは描画したい統計年次を選びましょう。世界銀行の統計データは,1960年から現在まで毎年のものです(1960年は欠損が多い)。自分が地図化したい統計の年次を選びましょう。

 

2.続いて統計数値が,「耕地率」のような相対値の場合は,階級区分図とします。まず左のウィンドウの「データ表示モード」の中の「ペイント」あるいは「ハッチ」を選択しましょう。そして右の「ペイントモード」という所で,階級区分方法を設定していきましょう。この設定のあとに,左ウィンドウの「描画開始」ボタンをクリックすると,下のような地図が描画されます。これは,エケルトWの2016年の耕地率の地図ですが,区分法は等間隔,区分数は4で作成しました。

       

なお「区分方法」についての個人的な考えですが,分布の偏りを強調したい場合,「標準偏差」の値を参考にして,「自由設定」でもう切れの良い数字を境界値を設定するとよいと思います。カラーはグラデーションで濃から淡とすると,シンプルでみやすい地図になるようです。

もちろん,こうした細かな設定は,「ヘルプ」で確認するなどしてください。

      

   

2.続いて統計数値が,「人口」のような絶対値の場合は,図形表現図とします。まず左ウィンドウの「データ表示モード」の中の「記号モード」を選択します。そして右の「記号の大きさモード」という所で,円の内側の色などを設定します。円の真ん中付近でマウスをクリックすれば,その設定画面に入れます。そしてこの設定のあと,左ウィンドウの「描画開始」ボタンをクリックすれば,下のような地図が描画されます。これは,エケルトWでつくった2017年の人口分布の地図です。

       

  

     

3.なお投影法を変更するには,地図を描画させたあと,画面上の「オプション」→「投影法変換」と選択をすすめ,次にでてくる選択肢から任意の投影法を選びます。MANDARA10では,次のような6つの投影法が用意されています。

なお,ここでは地図の中心位置も変更することもできます。

   

   メルカトル図法              ミラー図法 

  

        正距円筒図法            ランベルト正積円筒図法

   

        エケルトW図法           モルワイデ図法

  

        サンソン図法

 

 

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